イジワルなキミの隣で


1年女子の間では“冷たい”とか“冷酷王子”とか言われてるけど、光流先輩はそんな人じゃない。



本当は優しい人なんだってことを私は知ってる。



だけどそれは特別な人にだけで、残念ながら私はその中に入ってないんだけれど。



「ねぇ先輩」



もう目すら合わせてくれなくて、光流先輩はボーッと遠くを見つめていた。



「いい天気ですね。こんな日は午後からの授業で寝ちゃいますよね?私なんてさっきの授業でも寝てしまって……先生に怒られちゃいました」



「…………」



「あ‼︎昨日のNステ見ました?PKB可愛かったですよねー‼︎私、アンナちゃんが好きなんですよー」



「…………」


うんうん、まだまだ。

めげるなんてレベルじゃない。


こんなのは序の口。


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