イジワルなキミの隣で


何かを言っているのをムシして、向かい斜め下にある教室に目をやる。



ここからはちょうど智沙の教室が見える。



窓際に座って同じクラスの友達と弁当を食べる笑顔の智沙。



一緒に登校はするけど昼休みだけは別々がいいと言い出したのは智沙で、お互いクラスが違うからその方が都合が良いんだとか。



俺は四六時中智沙といたかったけど、智沙がそういうなら仕方ないと割り切った。


「先輩はいつも何を見てるんですか?遠い目で何かを見つめてますよね?」



こいつ


名前は確か……。


……服部?だったか?



背中まで伸びた黒のストレートの髪に、黒目が大きなクリッとした瞳。



真っ白な肌に薄ピンク色の頬。


血色の良い薄い唇。


笑うと両側に出来るエクボが可愛いとか言ってる奴がいたような……。



確か2年の男子の間で人気のある1年の女子だ。

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