イジワルなキミの隣で
昼休み終了まで後20分。
教室の外に連れ出して少し話すくらい構わないだろ。
こんな時、同じクラスだったらと思うことが多い。
同じクラスだったら、いつでも智沙の顔が見れるから。
「や、智沙の顔が見たくなったから寄っただけだし」
「えー?そうなの?あは、なんか照れる。ありがとね」
「バーカ、礼なんかいらねえよ」
「そう?思ったことはちゃんと伝えないと後悔するからね」
そうだよな。
智沙はいつも自分の思いを口にしていた。
不安な時は不安だと
寂しい時は寂しいと
だから俺は
智沙の心の奥にある本心に目をつぶって、口から出た言葉だけにしか耳を傾けていなかった。