イジワルなキミの隣で
か、可愛い……?
私が?
「先輩、頭大丈夫ですか?」
だって根性のひん曲がってる佐伯先輩だよ?
なにかまた裏がありそう。
だって素で言うなんてありえないでしょ。
ビックリして見つめていると、佐伯先輩はフッと笑って答えた。
「彼女いる男を追いかけ続ける誰かさんほどはおかしくねえよ」
「…………」
なんなんですか、この人は本当に。
「……しょうがないでしょ。それでも好きなんだから」
諦められないんだから。
どうしたらこの気持ちにケリが付くのかわからない。
あんなに素敵な彼女がいるのに、追いかけ続けれる自分自身も。
あの2人は校内でも憧れのカップルとして有名で。
その中には誰も入れない気さえする。
というか、入れないんだけどね。
「あいつより俺の方がカッコ良いのに、なんであいつばっかモテんだよ」
「そうやってひがむからじゃないですか?佐伯先輩も十分おモテになってると思いますがね」
嫌味を込めて言ってやった。