シェアハウスのミュージシャン




byひろ



先生「よし。これでおっけい。」

「大丈夫なんですか?」

先生「これは、痛かったでしょうね。」

「…」

先生「恐らく、この血の量はわざと踏まれたわね…しかもスタート前に…」

「!!!!」

先生「良く走り切ったわ。」


歯を食いしばりながらも走って俺にバトンを渡した沙織の顔が頭からは離れない…

相当痛かっただろうな…



ガラッ!!

光栄「沙織!!」

先生「しぃー!!今寝てるんだから。」

光栄「すいません…」

「光栄、サンキューな。」

光栄「いいって!」


光栄は、俺が沙織を運んだのを見て、驚いている先生に事情を説明して回ってくれた。


沙織「…んっ…」

むくっ!

「沙織!大丈夫か!」

沙織「ん?ここ保健室?」

「あぁ。」

沙織「いたぁ!」

先生「あ、まだ、動いたらダメよ。」

沙織「…」

先生「はい。しばらく松葉杖ね!」

沙織「はぁ〜い。」


先生「じゃ、私は先生達に行って来るわね。」




ピシャッ!



光栄「大丈夫か!!」

沙織「う…ん。かな!」

光栄「無茶し過ぎた!」

沙織「ごめん…」

ひろ「先生が、言ってたぞ。相当我慢したんだろう。って。」

沙織「へへっ。」

光栄「誰にやられたんだ?」

沙織「分からない…入場門で並んだ時に、踏まれたから…」

光栄「俺…犯人探してくる!!」


ピシャッ!



沙織、俺「……」

あいつ、無駄に気使いやがって…

沙織「…ありがとう。ここまで運んでくれて。」

「いや。」

沙織「私は大丈夫だから、いいよ。行って。」

「その事なんだけどさ。」



沙織
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