シェアハウスのミュージシャン
by沙織
ご飯を食べて、小百合さん達と別れて、私は今、更衣室に来ていた。
痛いなー。
やっぱり腫れてたか…
次の試合まであと30分。
出来るだけ、冷やしとこ!
今は男子の決勝戦。
だから、更衣室には誰もいなかった。
ガチャ。
「…」
「…」
「どうも…」
入って来たのは、私の決勝戦の相手。
髪は栗色のロング。
メイクもしていて、結構チャラい。
「あんたが、私の決勝戦の相手?」
「うん。私は七瀬沙織。よろしく。」
「私は、星野綾瀬。ねぇ。取り引きしない?」
「取り引き⁇」
「うん。はい。これで負けてよ。決勝戦。」
星野綾瀬が渡してきたのは、一万円札がくくられていた。
「100万。これでどう?」
「何この、お金」
「知らないの?綾瀬のパパはねお金持ちなの。だから、これで私に優勝させて?」
「まさか…この手でここまで勝ち上がってきたの?」
「ええ。そうよ。」
「…それで勝って嬉しいの?」
「当たり前じゃない。だってパパが喜んでくれるもん。」
「私は、いや。そんなお金で優勝はずれない。」
「あっそ。じゃいいけど、あんた絶対後で後悔するよ。まぁ優勝は私だけど」
「あんたに負ける気しないから。」
「あっそ、」
パタン。
ガチャ
「沙織ちゃん!」
「百合子さん。早苗。光!」
「へへっ。来ちゃった、」
「あれ?3人知り合いだったんですか?」
「いや。扉の前で会ったんだ。」
「ああ。なるほど…」
「沙織。さっき出て行った子って知り合い?」
「ううん。決勝戦の相手、」
「あの子が⁇」
「うん。」
「へー。人は見かけに寄らないね。」
「そうだね…」
「どうした?元気ないけど…」
「いや。緊張してるだけ。」
「「「「うわぁーーーー!!」」」」
パチパチパチパチ
「あ!男子の決勝終わったみたい、」
「じゃ、私いくね」
「うん。頑張ってね!応援席から応援してる!」
「ありがと!」