シェアハウスのミュージシャン
女子決勝が終わるとすぐに表彰式と閉会式だ。
星野綾瀬はさっきの奴といつの間にか、入れ替わっていた。
そのおかげで私だけ汗だくだった。
「男子1位、近藤陸大さん。」
「はい!」
男子の1位は私達柔道部の主将。
いつも私と夜遅くまで練習していた幼馴染だ。
パチパチ
大きい拍手で男子の表彰は終わり…
「続いて、女子の表彰です!」
「女子1位…七瀬沙織さん!」
「はい!」
「キャー。沙織ちゃーん!」
今の声、百合子さんだ…
私は少し苦笑いをした。
「女子2位…星「待ってください!」
止めたのは、若くて熱血そうな男の先生
「どうしました?森山先生?」
司会の先生が聞いた。
「女子2位はこの子ではありません!」
「どういう事ですか?」
「戦っていたのは、この方です!」
パタン!
後ろのドアから入って来たのは、さっきの星野綾瀬にふんした男だった。
まだ、星野綾瀬の変装をしている。
「あっ!あいつ!」
つい、声が出てしまった。
森山先生と私以外は驚いた顔でザワザワしだした。
「うそっ!2人?」
「てか、どっちがどっち?」
「今来た人は汗だくだくど…」
「元々いた人は全く汗かいてないよね…」
「汗だくの方が本物?」
口々に言い出した。
星野綾瀬の偽物は森山先生からマイクをもらい、静かに喋り出した、
「申し訳ありません。」
パサッ
と変装のカツラお面を取った。
ザワザワザワザワ
「ちょと!」
「お嬢様…もう無理でございます…」
「役…たたず…」
「皆様、申し訳ございません。」
男は星野綾瀬の今までの事を喋り出した
勿論、決勝はそいつが出たことも…
男は最後にもう一度謝り、出て行った星野綾瀬を追いかけて行った。