赤いセカイ(短編)
「もう始まるのねッ楽しそう」
そうつぶやいたのが近藤佳代(こんどうかよ)。空想で殺人をするのが楽しいみたい。
空想で殺人をするなら現実ですればいいのに…。その方が楽しいわよ?
「では始めます。ここからは逃げられません。やめたい人はこの地下室から出ていくように」
元々この五人をネット【暗闇】で集めた主催者の夏彩ちゃんがそういった。
そこでは誰も帰る人が居らず夏彩ちゃんはトランプを配り始めた。
「ではトランプの確認をしてください」
分かりました。と心の中でつぶやきトランプを見た。
…えっ嘘!
私はトランプを見たあとそう言ってしまいそうになった。
理由はジョーカーがあったから。
ヒヤリと背筋が冷たくなりススーと頬に汗が流れた。
ま、まぁ大丈夫だ。最初にジョーカーを持っているからと言って最下位になるとは限らない。
「紫雲さんが佳代さんのトランプを。佳代さんが私のトランプを。私が花音さんのトランプを。花音さんが結菜さんのトランプを。結菜さんが紫雲さんのトランプを取る形とさせていただきます」
また淡々と夏彩ちゃんがいった。