腕枕で朝寝坊
その3*愛してコンプレックス
*朝寝坊その3*
愛してコンプレックス
※ふたりが一緒に暮らし始めた頃のおはなし。
美織視点
この日は、前夜遅くまでサンキャッチャーを作っていたせいで少し寝不足でボーッとしてた。
それがいけなかったと思う。
平日の渋谷。
お休みの紗和己さんとのデート。
映画を観て、お店を覗いて、平和で楽しい一日。
あちこち歩いて少し疲れた私たちは一軒のオープンカフェで休憩するコトにした。
「久しぶりに来たけどたまには渋谷もいいね」
「ですね。賑やかでいい刺激になります」
なんて、呑気な会話を交わしていた私たちのテーブルの前を、外国人の女性が横切っていった。
わぁお!思わず目を奪われる派手な容姿。
キラキラのブロンドに海より青いブルーの瞳。それより何と言っても、そのスタイル!!
モデル並みの高身長に、スラーーリ長い手足をチューブトップとショートパンツで惜し気もなく見せ付け、そしてそして。
A、B、C、D、E、F、G、H……バストって何カップまであるんだっけ?とゲシュタルト崩壊しそうな程の大きな胸!!
羨ましい!何その風船みたいな胸!!
思わず羨望の眼差しで見てしまっていたら、その様子に気づいた紗和己さんが私の視線を追ってその女性を眺めた。
「欧州の方ですかね。かっこいい女性ですね」
紗和己さんも素直に感嘆を込めて言う。
別に、そこまでは全く同意件だし気になるコトは何も無かった。
けれど。
「やはりあちらの方は大きいですね」
サラリと発せられたその一言に私は頭を殴られたようなショックを受けた。