甘いカンケイ



「今のカッコいい彼、美和の彼氏?」

「…っ!?」


…もしや、送ってもらったの見られてた!?


「カッコいい人ねぇ?しかも社会人ってあんたやるわね~!」

「………」

「美和!どういうことだ?」


お母さんの話を聞きつけたお父さんまで話に入ってきて問いただしてきた。


これはめんどくさいことになりそうであたしは盛大にため息をつく。


「ちょっと。やめてよ、まだ付き合ってないんだから」

「あら。『まだ』付き合ってないのね~?」

「まだ。ってなんだ!?まだって。その予定があるわけか?」


しまった。状況を更に悪化させてしまった…。


「まぁまぁ、お父さんもそんなに心配しないで。隆之さんにはあたしがいるでしょ?」

「…ん。そうだな、俺には美樹がいるもんな」

「………」


40後半になってもラブラブなあたしの両親。



大月隆之(おおつき たかゆき)

大月美樹(おおつき みき)



実年齢よりも若く見られるのはしょっちゅうでお母さんと買い物に行ってもよく姉妹に見られることもしばしば。



あたしはいつもの親の甘い雰囲気に呆れながら自分の部屋に逃げ込んだ。


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