精一杯のLOVEをあなたに。。。


エレベーター前の非常階段まで斗真の後ろ姿を見つめながら、ただ無言でついていった。


「…葵
この前はごめんな?」


「ううん…私の方こそごめん」


非常階段に並んで座り、とりあえず仲直り?


内心ほっとした。


だけど

次に繋がる言葉がうまく出てこない…


ギクシャクした空気が漂うなか私は鞄の中にそっと手を入れた。


「あのね斗真…?
目つぶって…」


「へ?…葵。
こんな場所で大胆な発言するなぁ?」


「もう~バカな事言ってないで…
早く目つぶって」


すぐにいつもの二人に戻れた気がして、思わず笑顔になる。


そして
斗真が不思議そうに目を閉じたのをみとどけて、左腕にそっと時計をはめてみた。


「斗真。お誕生日おめでとう」


「これって…俺が欲しがってたやつ?」


斗真は子供のように目をキラキラさせながら時計を見つめる。


「うん。その時計をみてた斗真の目がね。
獲物を狙ってるチーターみたいだったから…」


「あはは?何それ?
ほんと面白い事いうなぁ。葵は」


「でしょ?」


「でもさ…
俺が一番狙ってる獲物は……」
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