精一杯のLOVEをあなたに。。。



「…何でそんな大事な話ちゃんと言ってくれなかったのかな?」


「ん…そんなの言えるわけないじゃん。正直、あたしも葵に言うの迷ったもん。」


「なんで?」


「葵は、きっと私は大丈夫。とかって、身をひく事考えるでしょ?
昔っからそうじゃん。
斗真もそんなふうに悩ませたくなかったんじゃない?」


私を悩ませないため?


だから何もいわずに笑顔で会いにきてくれてたの?


なのに私は自分のことばっかり…


自分のふがいなさに涙があふれた。


「葵?

恋って、そんな綺麗ごとばかりじゃないんだと思う。

たとえ二人が幸せになることで、誰かが傷つくかもしれなくても、
それでも、本気で好きならあきらめちゃだめだよ」


「……」


そう。

たとえ世界中のひとを敵にまわしても、私は斗真を好きでいたい。


そう決めたあの夜のことを思い出していた。
< 157 / 350 >

この作品をシェア

pagetop