精一杯のLOVEをあなたに。。。

香織から聞いた話はしない方がいいような、そんな気がしたから…


「…無性に、斗真に会いたくなったの」

そう言った。

まんざら嘘じゃなかった。きっかけはどうであれ、そう思ったのはほんと。


「そっか」


斗真は優しく微笑んで私の頭をポンと叩いた。


そしてすぐ横のソファーにうつり、煙草をくわえながら、ベットの上の私に軽く手招きした。


横へおいでの合図。
素直に受け入れて私もソファーへと移動した。


「俺さ…いきなり転がり込んできたりしてごめんな?」


部屋の片隅においてあるライトが部屋を淡く照らすなか、斗真の吐き出す煙草の煙が綺麗に宙に舞った。


「そんなの、ぜんぜんいいよ。来てくれてすご~く嬉しかったし」


だって、

だって、ずっと望んでたことだもん。


斗真の肩に頭をのせてそっと寄り添ってみた。


そんな私の肩をすぐに斗真の左手が包んでくれた。


こんなふうに、誰かに甘えられるって

こんなふうに、自分の全部を預けられる人がいるって


ほんとにほんとに
すご~く幸せ。


< 164 / 350 >

この作品をシェア

pagetop