精一杯のLOVEをあなたに。。。
俺が5歳の時、両親は離婚した。
親の離婚の理由なんて子供だった俺には到底理解できるはずもなく…
ワケが解らないまま家を出ていく母親の姿をただ必死で追いかけた。
泣き叫ぶ俺をしっかり抱きしめてくれたけど…
「ごめんね…」
それが母親が俺に向けて言った最後の言葉だった。
そしてオヤジと二人になった。
でも、
そのオヤジはギャンブルにのめりこみ、やがて借金が膨らんで帰ってこなくなった。
結局俺は親戚の家をたらいまわし。
みんなに普通にある生活が俺にはなくなった。
自分の居場所というものなんてどこにも存在しなかった幼い頃…
どうしてそんな話になったのか?
誰かにそんな自分の過去の話をしたのは多分初めてで……
葵はそんな俺の面白くもない昔話をただ黙ってじっと聞いていた。
そして
「斗真のこれからはきっと大丈夫だよ。
斗真がいつも笑顔でいられるように、
居心地がいい場所になるように、私もがんばるからね!」
満面の笑みを浮かべて、恥ずかしげもなくそんな風に言いきった葵。
そんな葵が何だか眩して、
「そんな頑張らなくてもいいって。
葵がそばにいるだけで充分居心地満点だしな?」
冗談ぽく笑いながら軽くそう答えたけど…
実は心の中は嬉しくてジンジンしてた。