精一杯のLOVEをあなたに。。。
ひっそりと静まりかえった夜の街を、とにかく必死で走った。



車から逃げるためには、結局人の気配の全くない山手の住宅地をさまようことになってしまったのだけど…


でも、とりあえず走りつづけるしかない。


さっきの男たちは、まだあきらめずに私をひたすら追いかけてきていたから…


恐怖はどんどん大きくなる。



『斗真…助けて…』


心の中で何度も何度も叫びながら走った。


でももう限界…


とりあえず狭い路地に入った。


前方から人の気配がした。


後ろにはもう戻れない…


私の足は止まった。

と同時にその足は恐怖でガタガタ震えだした。


真っ暗な路地裏でただ一人、私は成す術もなくたちすくむしかなかった。




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