精一杯のLOVEをあなたに。。。


その女性はいつからそこに座っていたんだろう…

ふと…
一人の女性の存在に興味が沸いた。

ストレートの艶々の黒髪が妖艶で、しっとりとした雰囲気の女性。

気になった理由はそんな外見だけではなかった。

彼女の視線の先。

黒髪の彼女はずっと潤んだ瞳で、斗真を見つめていた。


まるで愛しい人を見つめるように……




『今日はバレンタインデーイベントにたくさんお越し頂きありがとうございます。

さぁ~いよいよチョコNo.1を発表させていただきます』


店内は照明がおとされ、それぞれの発表が始まった。


そんな暗がりに目が慣れた頃だった。


さっきの黒髪の女性と、斗真が店の隅で話をしている光景をみつけてしまう。


ドアをあけそのまま一緒に外へでていく姿も…


それっきり、斗真は戻ってこない。


あの黒髪の女性はいったい誰?


ズキズキとする胸の痛みが、尚一層不安をかきたてた。
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