精一杯のLOVEをあなたに。。。
斗真の担当医はメガネをかけたかなり若い先生だった。


その先生が淡々と説明をしてくれた。


「藤城さんは、頭部外傷と全身に打撲傷が見られましたが骨折などはありませんでした。

ただ、頭部からの出血がかなりあったようで7針ほど縫っています。


脳のCT検査で、脳自体に異常や出血は見られなかったので、意識が戻れば心配ないでしょう…。

1週間ほど入院になりますので…」


「あっ…はい、わかりました。本当にありがとうございました」


私は先生に深く頭をさげた。


よかった…
ほんとによかった…

神様にお礼を言いたいぐらいだった。


目頭が熱くなり、今度は嬉しい涙が目に溢れていた。



けれど……

この私の喜びはほんの束の間の喜びにすぎなかった…



< 272 / 350 >

この作品をシェア

pagetop