精一杯のLOVEをあなたに。。。
「……君って誰?」
俺の問いかけに彼女は笑いだした。
「…え?うそ…?
やだなぁ~
斗真ったらまたふざけたりして~
かずくんと二人で
私の事からかったりしてさ。
やめてよぉ~
そんな冗談!」
彼女は俺がからかって知らないふりをしてると思ったようだった。
でもすぐに嘘じゃない事を察知した彼女の表情は一瞬にして変わった。
そして俺に近づき
俺の手をそっと握った。
「嘘…?
ウソだよね…?
いつもの冗談…だよね?」
彼女の必死に訴える表情に俺はどう答えていいのか、正直困っていた。
「斗真?
私だよ?葵だよ?
もっとちゃんと顔見てよ?
何で?
何で私の事わからないの…?
なんで……
…なん…で…」
彼女の声が震えていくのがわかった。
彼女の大きな瞳もどんどんうるんでいく…
何でこんなに?
彼女は必死なのだろうか?
俺は結局何もかける言葉が見つからなかった…
彼女はそんな状況に耐えられなくなり、病室を飛び出していってしまった…。