精一杯のLOVEをあなたに。。。

「…では…行きますか?」

そう言って斗真は、手を差し出した。


「……」


「どした…?葵…?」


「…うう…ん、何でもない」


何でもないはずがなかった。

一瞬ドキッとして息が止まりそうになったくらい…


斗真の中に私の記憶がなくなっただけで、やっぱり斗真は斗真なんだね…?


いつもこうやって私に手をさしだしてくれてたよね…?


斗真は斗真のまま

何も変わってないのかもしれない…


私の存在だけがなくなったんだね…


もう斗真の中のどこを探しても、私は見つからないのかな…

そんな風な事をおもいながら、あの時と同じように斗真に手をひかれながら歩いた。



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