精一杯のLOVEをあなたに。。。
彼女はホールに出た俺にそっと近づいてきた。


「斗真…?
今日は帰ってきてくれる?」


「エリカ…」

「帰ってきてくれるって約束してくれるまで、今日はここでずっと待ってるからね」


笑顔でそう言うエリカの腕をつかんで店の外へ連れだした。


「ごめんな…俺…」

「謝ったりしないで…。ちゃんとわかってる。

お兄ちゃんに頼まれたから一緒にいてくれてる事も、斗真が私の事を好きじゃない事も……

でも、それでもいいの…」


まっすぐに俺を見つめる瞳に返す言葉が見つからなかった。

「…今までどうり、妹みたいな感じでいいの。

お兄ちゃんがいた時と同じように、あの家で暮らせれば…。
戻ってきて。お願い斗真…」


エリカはそういいながら頭までさげてお願いした。


俺は軽く目を閉じた後、ゆっくりとうなずいた。


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