精一杯のLOVEをあなたに。。。
リュウさんに借りた車の前に二人で息をきらしながら、たどりついた。


「葵!車のkey貸して。俺が運転するから」


そう言って斗真は運転席に乗り込みエンジンをかけた。


行き先も聞かずにすぐに車を走らせた斗真に驚いていた。


「あの…?
私…まだ行き先言ってないよ?」



すると斗真は、隣に座っている私の頭をそっとなでながら…



「…行き先は、ちゃんとわかってるから。

二人の大切な場所。

頭の中の記憶はなくなっても
ここは覚えてるから。」


胸を軽く押さえながらそういった。


「…う…ん」



心の中に?…


ただ心の中に大切にしまいこんでいるだけ…


私の事もそうであってほしい。


さっきまでの躊躇いは消えていた。


二人は同じ気持ちで、あの場所へと向かっていた。
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