精一杯のLOVEをあなたに。。。
side:葵
「あ―――――!!」
後方から聞こえる大きな声に思わず振り向いた。
振り向いたのは私だけじゃない。
周辺を歩いていた人たちまでもが足を止め、何事が起きたのかと驚き顔。
その大声をあげたのは、斗真だった。
周りの人たちの視線なんて全然気にせずに、私を見ながらこっちに近づいてくる。
「葵、みっけ~」
無邪気な顔で斗真はそんなセリフを言った。
そんな子供染みた無邪気な顔はエンジェルで見たことがなかった。
「な、何してんの?こんな場所で…
しかも、あんな大きな声だしたりして、みんなびっくりしてんじゃない…」
「だってさ…
今、俺の事知らないふりして行こうとしてたでしょ?」
「…な…んで?」
するどい質問に少し顔がひきつり、どもった。
「まぁ~いいや…。晩飯まだでしょ?
俺今日バイト休みだから、何か食べにいこ?」
「…え?」
思いもよらない誘いに驚きを隠せない。
そんな驚いたままの私の返事なんて気にもしてない?
斗真は私の腕をつかんで勝手に歩きだした…。