精一杯のLOVEをあなたに。。。
パラパラとした小さな雨の粒に打たれながら小走りした。


連れてこられたのは、駅から少し山手に抜けた場所にある、こじんまりした居酒屋。


『いらっしゃいませ~まいど~』


恰幅のいい店長らしき人が、斗真に笑顔を投げかけた。

どうやらここは、斗真の顔馴染みのお店らしい。


「ここさ…俺の隠れ家。料理も美味しいし、落ち着くんだよなぁ。」


店の中はほんのり薄暗く、一つのテーブルごとに間仕切りされていて、確かに落ち着ける。


「こんな場所にこんないいお店があったなんてね?」


「そうだろ?

この店は誰にも教えてないんだ…
葵だけかな?」


「…私だけ?」


「そう…ここへはいつも一人で来るんだ。フラッ~とな。」

そういってメニューを広げる。


何でそんな内緒の隠れ家的なこの店に、私を連れてきたの?


「んじゃ~
とりあえず乾杯」


運ばれてきた生ビールをそれぞれが口にした。


「斗真?

駅で誰かと待ち合わせしてたんじゃないの?
私なんかと食事にきて良かったの?」


こんな言い方しかできないなんて…

きっと私はヤナ女だよね?


でも…

これ以上期待したくなかったから


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