精一杯のLOVEをあなたに。。。
繋いだ手から斗真のぬくもりを感じながら、ただ黙って駅へと向かう。
繋いだ手を離したくない。
離れたくない。
そんな気持ちがしだいに強くなって、私は足を止めてしまった。
「…ん?どした?」
覗きこむ斗真の顔。
「…帰りたく……ない」
一瞬驚いた斗真の顔を見てハッとした。
…やだっ。私ったら何言ってんのよ?
「あっ…ごめん…私…嘘、嘘、今の嘘だから」
弁解もシドロモドロで最悪…
恥ずかしくて困って結局うつむいた。
「葵ってさ…。時々びっくりするような事言うよな?」
オデコをツンと突っつかれた。
「…だから冗談だって…」
「おまえって、ほんとわかりやすい性格だな?」
そう言って笑った顔が、真剣な眼差しに変わった。
…ドキン
息ができなくなってしまいそうなくらい緊張が走った瞬間…
瞳をそっと閉じた。
斗真の唇が私の唇にそっと触れた。
電流が流れたみたいにドキドキと忙しいくらいに動きだす心臓の音。
全身の力が抜けて立っていられなくなるくらい…
こんなに優しくて宙にフワフワと浮かぶようなキスははじめてだった。