反響ノイズ
「っ」
そんな笑顔にぼーっとしつつあった私は、無理矢理現実世界に意識を戻し和八の腕から逃れる
案外すんなり離れたそれに和八は満足したということがわかり私はもう一度ドアへに向かった
もう引き止めてこないところを見ると本当にもぅいいらしい…
自分勝手な男だなぁ、
なんて思ってドアを開け挨拶もせずに私は外の真っ暗な世界に入る。
帰路を歩く途中
ふと、思い出していた。
さっき出会ったもう会うはずのない男を。
ビー玉のように綺麗な瞳を持つあいつを…
その頃
「…やっと見つけた。」
月明かりを浴びて笑う綺麗な男が一人
「またね、だよ。…音葉」
もう二度と会わないと思ったのに。
君と出会ったのは偶然か、それとも必然か…
神のみぞ知る。
歯車はとっくに動き初めていたんだね。