反響ノイズ
はじまりのうた
ジーンズにパーカーとラフな格好をして、耳にはベッドフォン
フードを深くかぶり、現実から目を背けるように歩く。
すれちがうは残業帰りのサラリーマンか、飢えに耐え鳴き続ける野良ネコぐらいだ。
ポケットの中で光る愛用の音楽プレイヤー
曲を決め、目を瞑り立ち止まる
端から見たら私は不審者に見えるのかもね。
まぁ、どーでもいいけどね、と。
「…ウルサイ」
誰に言うでもなく私に届くノイズに呟く
止まるはずないそれに頭痛が響いた。
私のことを知ってる人でも知らない人にもわかるはずない私のコレ
「はぁ…」
短く息を吐いて、目的地へと向かう。
一人になるために、歌うために。