反響ノイズ
と、捨てられた子犬のような顔で渋々私の腕を離した。
なんで、そんな顔するのよ…
私が悪いみたいじゃん。
あたしの…せいみたいじゃん、
幼いときの感覚を思い出しそうになり逃げるようにドアへと向かう。
「音葉…」
「…っ」
男の甘い音につい振り向きそうになる。
コツリと、ゆっくり近くに歩みより私を後ろからぎゅっと抱き締めた。
慣れない人の温もりに驚き、殴ろうと後ろを振り向こうとすれば…
「…っ!?なにすん…」
あまりに近い距離で言葉が詰まる。
薄い茶色のビー玉みたいな瞳は
「きれい…」
「え?」
「…っ!」
バッと口を塞ぎ取り乱す
何言ってんの!?
思ったことがつい出てしまった。
それほど綺麗だったのだ。