天使ラビィの不思議な珠
池の底に手を伸ばしながら、カピィは一生懸命考えました。
そうだ、あれは、ラビィの気持ちだ。
ラビィは嫌なときも苦しい時も笑うから。
気持ちを顔に出すのが、下手くそだから。
だから神様はラビィにあの珠を渡したんだ。
「失くしちゃダメだ」
カピィは恐る恐る、腰まで体ごと池に浸かりました。
絶対に見つけなきゃ。
無くしちゃったらラビィがラビィじゃ無くなっちゃう。
その時、池の底の石に足を滑らせ、カピィはそのまま頭まで池に浸かってしまいました。
「うひゃぁぁ」
鼻にも口にも、水が入り込んできます。
苦しい、冷たい。
だけど、ラビィに元に戻ってほしい。
カピィは必死で願い続け、手をバタバタと動かしますが、やがて体全体が冷えきって、うまく動かすこともできなくなりました。
そして、カピィは気を失ってしまいました。
~*~*~*~