天使ラビィの不思議な珠


池の底に手を伸ばしながら、カピィは一生懸命考えました。

そうだ、あれは、ラビィの気持ちだ。

ラビィは嫌なときも苦しい時も笑うから。

気持ちを顔に出すのが、下手くそだから。

だから神様はラビィにあの珠を渡したんだ。


「失くしちゃダメだ」


カピィは恐る恐る、腰まで体ごと池に浸かりました。


絶対に見つけなきゃ。
無くしちゃったらラビィがラビィじゃ無くなっちゃう。


その時、池の底の石に足を滑らせ、カピィはそのまま頭まで池に浸かってしまいました。


「うひゃぁぁ」


鼻にも口にも、水が入り込んできます。


苦しい、冷たい。
だけど、ラビィに元に戻ってほしい。


カピィは必死で願い続け、手をバタバタと動かしますが、やがて体全体が冷えきって、うまく動かすこともできなくなりました。


そして、カピィは気を失ってしまいました。





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