天使ラビィの不思議な珠
「違う? これ、なあに?」
「カピィ」
「ええ? カピィ? あははは」
サユちゃんがびっくりしたように目を丸くした後、笑いだした。
そんなにわからないかなって、ちょっと悲しくなったど、サユちゃんの笑った顔が、ボクの好きなにっこりだったからボクもつられて笑っちゃう。
「ごめんね、笑って。じゃあ、サユはラビィをかこう」
サユちゃんは、笑い終えたらすっきりしたのか、楽しそうに絵を描き始めた。
ボクのへたくそなカピィの隣には、サユちゃんの描いたかわいいラビィ。
それをサユちゃんは、赤いクレヨンでまあるくかこむ。
「ほら、なかよし」
「ホントだ」
「えへへ」
サユちゃんが笑ってくれるなら、絵がへたくそでもいいか。
仲良しのマルを見つめながら、ボクはそんなことを思った。
【fin.】