璃琥―riko―
「う~ん。」

どうした?と優しく聞いてくるうーちゃん。マジ紳士だわ。
どこかの誰かさんと違って……

「あ゛?俺だって優しいわ!」

「別に夜來だって一言も言ってないし」

全くだねぇと馬鹿にした笑顔を浮かべる。來夜が舌打ちしたのはスルー。
それより、かなり大事なんだから。

「 ねぇ、うーちゃん。丸山スーパーと西河スーパーと羽山スーパー 、何処に行こうかな?」

「まだ悩んでいたのかよ!?」

「少し静かになれ。來夜」

「あ、兄貴…」

ふっ…ざまーみろや。
うーちゃんに怒られてやがんの。
來夜は耳を垂らした子犬のように落ち込み静かになる。いつも、こうだったらいいのに…まあ、こうなんないのが來夜だからねぇ……

「よし、吉野スーパーにしようか!」

なんであそこを忘れてたんだろうか!
いつも、定価より安くて確か今日はトイレットペーパーが激安☆セールだったはずなのに!お肉と魚は近くの隠れ名店で買って…野菜は確かお裾分けに農業の人に貰ったのがあるし。
愛の家は財閥だ。しかし、一般家庭のような家族でありたい、財閥だから友達から避けられたりして欲しくないという、おかあさんの希望で、一般家庭のような暮らしをしている。

「吉野スーパーか。あそこ最近荒れてるから気をつけろよ?」

うーちゃんが本当に心配したように顔を歪めて愛の顔見る。でも、止めはしない。心配しても、止めない。止めるのはかなり少ない。

「私を“だれ“だと思ってるの?絶対だいじょうぶだよ。」

私が強いから―――

「ほんと、お前何様だって感じだな」

いつの間にか復活したらしい來夜がニヤニヤしながら言う。失礼だなぁ…
でも、この空気は好き。
この、暖かい場所が私は大好きなんだ。
< 32 / 35 >

この作品をシェア

pagetop