璃琥―riko―

また見つける帰り

「えっと…トイレットペーパーでしょ。あと醤油も買わなくちゃなぁ…。あ!久しぶりにクッキー作ろうではないか!莉茉にもあげたいし!!」

スーパーでトイレットペーパーを持ちながら、ぶつぶつ独り言をいう端から見れば可笑しい少女が一人。
勿論、愛だ。
至って本人は真剣だ。真剣すぎて、周りからの怪しい者を見るような視線に気付かないのだ。

「クッキーじゃあ、腐るかな?じゃあ生チョコ?いや、簡単すぎるしなぁ…。ケーキもいいけど、渡す前に美味しくなくなっちゃうし…」

そして、段々はなしが擦れていってるのに気付かない。愛といえば愛らしいが…
それほどにまで、料理とお菓子作りが大好きだったりする。
簡単なものから、凝ったものまでレシピを見ないで作ることが出来るのだ。
愛の“お兄ちゃん“も、それほどではないが料理が出来る。
その理由は簡単。
おかあさん…華恋が料理を作れないからだ。ただ作れないのなら問題はない。
華恋は、破滅的に料理が出来ないのだ。
それは、おかあさんの大切な人たちが一週間ほど腹を壊したほど……
そして、厄介なことに破壊的に料理を作れないことを自覚していないのだ。
そのため、愛達にお手製の料理を作り食べさせようとして雨來たちに必死に止められたけとがある。そして、この中で一番料理が得意だった雨來が料理を作っていたのだったりする…。
おかあさんの破壊的な料理…それは愛も身を持って体験した事がある。
その話はまた別の機会にするとしといて、愛はそれで雨來に料理を教えてくれと必死に頼みこみ、今はこうなったのだ。

余念として、愛の影響で莉茉も料理とお菓子作りが大好きになり大得意になったのだ。

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