恋の糸がほどける前に
……あの日。
貴弘に思いもしなかった告白を受けた、あの日から、その思いは痛みを帯びて加速していったような気がする。
どうしてだろう。
あんなふうに想いを告げられて、貴弘のことを考えると頭がそれを考えることを拒否するように辛いのに。
反動、なのだろうか。
水原のことを思い出すと、泣きたい気持ちになる。
まるで、私の心がここから離れたくないと懇願しているようだった。
「皆、クジ引いて。ふたりペアだから、同じ数字を引いた人を探して、組んでね」
クラス委員がやってきて、クジの入った袋を差し出してきた。
順番にその袋の中に手を突っ込んで、折りたたまれた白い紙を引く。
「葉純、何番?」
私が引いてすぐに、私より先に番号を確認した芽美がそう言って私の手元を覗き込んでくる。
「12番。芽美は?」
「え、近い。私、11番!ペアじゃないけど、前後だね。途中で一緒になるかも」