恋の糸がほどける前に
それを見たクラス委員長は、やだ!と可愛らしい悲鳴を上げた。
なに、その反応?
「水原くんってピュア!やだもう、見てるこっちが恥ずかしくなる!」
「……何言ってるの?」
クラス委員の反応の意味が分からず、私は眉をひそめた。
たしかに水原はピュアだけど……。
今のやりとりでそれを感動するようなところ、あった?
「決めた。私、ふたりを見守るね!!」
「はい?」
「大丈夫。言いふらしたりしないから。ふたりはふたりのペースで進んでいって!じゃあ、邪魔者は退散するね!」
「ちょっと!?」
軽やかに私と水原のもとから去って行ったクラス委員に、私は呆然とその後ろ姿を見送るしかなかった。
「……さっぱり意味がわからない」
ね?
と同意を求めて水原の方を見ると、水原はなにやら考え込むような顔をしていた。