恋の糸がほどける前に

♯ 2 キミの言葉


♯2


「えっ!?じゃあ、水原くんと行くの!?ふたりで!?」


お祭り当日、帰る準備をしていた私は、不意に芽美に「今日お祭り行くの?」ときかれ、水原と行くことを伝えた。

すると、芽美は心の底から驚いたように素っ頓狂な声を上げる。


え、そんなに驚くこと?

芽美のあまりの驚きように、私のほうが驚いてしまった。

結構な大声だったから思わず周りに視線を向けてしまったけど、幸い教室にはほとんど人は残っておらず、残っている数人もきゃあきゃあとなにやら盛り上がっていて、私たちのことなんて気にしていないようだった。

よかった。

水原もとっくに部活に行ったみたいだし。


「わかんない。私も水原も、お互い他に誰も誘わなかったらふたりになるんじゃないかな」


てっきりふたりだと思っていた私は、芽美の言葉に、皆で行こうという意味だったのかもしれないと今更気付いて、少しだけ不安になった。


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