恋の糸がほどける前に

「驚きすぎ」

「う、うん。私もそう思った」


あはは、と笑って当たり前みたいに隣に並んだ水原に、ドックンドックンという心臓の落ち着きのなさをなんとか押し隠して、私は必死で平静を装う。


び、びっくりした。

完全に気を抜いてたっていうか猫しか見てなかったから、余計に。


「つか三浦、なんで今日早いん?同じ道なのにいつもお前が遅刻ギリギリすぎて会わないよな」


「私だってたまには早く起きるんですー。
……水原はいつもこんなに早く家出てるの?何、朝勉?水原がそんな真面目だなんて知らなかったな」


「……や、いつもは朝練あるから。毎朝勉強してたらお前と赤点コースなんか乗ってねーよ」


はあ、とため息と一緒にそんな言葉を吐き出す水原。


あ、そうだったね。

そういえば数学の補習、水原もいたよね。


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