恋の糸がほどける前に
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「わ……っ!」
みんなで作ったカレーを食べてから、ぞろぞろと合宿棟の外に出る。
来た時はまだ日なんて全然落ちていなかったのに、いつのまにか夜の闇があたりを包んでいた。
街の明かりも届かない場所だから、見えるのは合宿棟の窓からもれる微かな明かりと、真っ黒な空に浮かぶ月と星の光だけ。
芽美に向かって先生が、満天の星を見たらこの行事を廃止するなんて言えなくなる、って言っていたけど、本当にその通りだと思った。
「すご……」
隣にいる芽美の口からも、感嘆のため息とともにそんな言葉が零れる。
いつも見ている星空とは全然違う。
空の黒に、くっきりと浮かぶ光の欠片。
思わず泣きたくなるくらい、きれいだった。
いつもの何倍も空が広く感じる。
星に詳しい方じゃないし、むしろ星座とか神話とか、そういうのには疎い方。
それでも、こんなに魅了される。
目が離せなくなる。