恋の糸がほどける前に
♯ 3 図書室と秘密
♯3
「なんか最近、あんまり水原くんと雫さん一緒にいないよね。水原くん、お昼も教室で食べてるし。何かあったのかな?」
パクッ、とお弁当を口に運びながら、芽美が何気なくそう言った。
「そう、かもね」
芽美に曖昧に笑って、私もお弁当を食べ進める。
今は昼休みで、芽美と机を合わせてお弁当を食べているところ。
「……葉純も何も聞いてないんだー」
「聞くも何も、最近水原と全然話してないし」
「そっか」
頷くと、ちゅー、と紙パックのお茶をすする。
芽美はそれ以上その話題に触れてはこなかった。
ちらり、と視線を横に向けると、芽美の言うとおり水原がクラスメイトとご飯を食べている。
まるで、雫先輩と付き合い出す前みたいだ。