恋の糸がほどける前に
「何言ってるの!?私は葉純ちゃんが羨ましいよ!……私、女の子らしくないから」
「そうだよ葉純ー。なにそのくびれ。文化部のくせにっ」
雫先輩も芽美もそう言って励ましてくれるけど。
私はふたりの細さにびっくりだよ。
なにその肩!
骨か!!
腕も脚も、私よりずっと細くて羨ましい。
顔も天使かってくらい癒し系で、可愛いし。
雫先輩はひらひらとフリルのついたピンクの水着。
胸のあたりにもたっぷりとしたフリルがあしらわれてあって、すごく可愛い。
ふわふわの髪の毛を白の可愛いシュシュでサイドにまとめている。
芽美は、健康的なオレンジ色の水着。
上は首のところで結ぶタイプになっていて、下はデニムのショートパンツみたいなデザイン。
肩までの茶色い髪は、夏休みに入る前に染め直したのかいつもよりなんだか艶やかな気がした。
「腹筋は怠ってないからそこくらいはせめて、ね……!でもほら、肉ヤバイよーーっ」
自分の腕を指差して訴えても、ため息しか返ってこなかった。