恋の糸がほどける前に

♯ 2 痛い想いと、ぬくもりと


♯2


「葉純、いったよーっ!」


ポーン、と飛んできたボールをなんとか受けた。


「雫先輩っ!」


砂浜に膝をついて、雫先輩の方にレシーブ。

だけど、思った方向とは別の向きに飛んでいって、皆にあははと笑われてしまった。


ご飯を食べ、ひとしきり海で泳いだり浮かんだりしたあとの、ビーチバレー。


走ったり泳いだりは比較的得意なんだけど、球技だけは本当に苦手。


……昔から、このコントロールのなさだけはどうしたって直らない。


「葉純、下手ー!」


「みかけによらず芽美は球技上手いよね」


「葉純はみかけによらず下手だよね」


にっこり笑うふわふわ美少女は、時々見た目を裏切る毒舌を発揮する。


……ヒドイ!!

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