恋の糸がほどける前に





「はー、遊んだねぇ」

「楽しかった!」


さんさんと輝いていた太陽がオレンジ色になって、海が空と同じ色に染まるまで遊びつくした私たち。


夜ごはんの材料を買って、今日の宿に向かう。


海からほど近い、雫先輩の親戚の方が貸してくれた別荘はこまめに手入れされているらしく、決して新しくはないけれど清潔感の滲み出る雰囲気があった。



「部屋割は、男女で分けちゃっていいよね」


私の言葉に誰も異存はなかったらしく、自分の荷物を部屋に運び入れる。


それから賑やかにカレーを作って食べて。


順番にお風呂に入って。


夕飯の材料と一緒に買った、たくさんの花火をして。


やっと落ち着いた今は、リビングで団らん中。

< 75 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop