始まりは恋の後始末 ~君が好きだから嘘をつく side story~
「澤田くんに誘われたら絶対に喜ぶわよ」
やけくそみたいに言ってしまったところへ、「失礼します」とメインのステーキが届けられた。
一瞬の間が空いて何となく気まずくなる。言葉なくステーキをカットして口に入れると、あまりの美味しさに瞳が開きコクンと飲み込んだ後、自然と声に出てしまった。
「・・美味しい」
そしてつい流れで彼の顔に視線が行くと、目が合った瞬間優しい笑みを見せてくれた。
「よかった。ここの店気に入ってもらえましたか?」
「うん」
そう素直に答えると、澤田くんも小さく頷いた後少しだけ体を向かいに座る私の方へ寄せた。
「僕は今日デートのつもりで誘いましたよ」
「・・・え・・」
しっかりと視線が絡み合ったまま思考が止まる。
そんな風に言われたら、私だって上手く返すことができない。『何で?』『どうして?』と脳内で混乱するとまた頬が熱くなり、まばたきの回数がやたら増えてぎこちなくなってしまう。
確かに今日私の仕事が終わるまで待っていてくれて、食事に誘ってくれたけど。デートとか本当は冗談だと思っていたのに・・。
キッパリ言って真っ直ぐ視線を向けてくることに、何だか耐えられなくて。この間をもて余して目の前のステーキに視線が行き、またごまかすようにステーキをカットして口に含んだ。
すると前からクスッと笑い声が聞こえたので、上目遣いに睨むと彼は余裕のある笑顔でステーキをカットしている。
やけくそみたいに言ってしまったところへ、「失礼します」とメインのステーキが届けられた。
一瞬の間が空いて何となく気まずくなる。言葉なくステーキをカットして口に入れると、あまりの美味しさに瞳が開きコクンと飲み込んだ後、自然と声に出てしまった。
「・・美味しい」
そしてつい流れで彼の顔に視線が行くと、目が合った瞬間優しい笑みを見せてくれた。
「よかった。ここの店気に入ってもらえましたか?」
「うん」
そう素直に答えると、澤田くんも小さく頷いた後少しだけ体を向かいに座る私の方へ寄せた。
「僕は今日デートのつもりで誘いましたよ」
「・・・え・・」
しっかりと視線が絡み合ったまま思考が止まる。
そんな風に言われたら、私だって上手く返すことができない。『何で?』『どうして?』と脳内で混乱するとまた頬が熱くなり、まばたきの回数がやたら増えてぎこちなくなってしまう。
確かに今日私の仕事が終わるまで待っていてくれて、食事に誘ってくれたけど。デートとか本当は冗談だと思っていたのに・・。
キッパリ言って真っ直ぐ視線を向けてくることに、何だか耐えられなくて。この間をもて余して目の前のステーキに視線が行き、またごまかすようにステーキをカットして口に含んだ。
すると前からクスッと笑い声が聞こえたので、上目遣いに睨むと彼は余裕のある笑顔でステーキをカットしている。