始まりは恋の後始末 ~君が好きだから嘘をつく side story~
「もう!本当にバカ。あんた自分が思う以上にいい女だよ!いい男がいい女選んだってだけの話じゃない。周りがゲスなことしてくるようなら、あとは王子に任せればいいの!結局女はいい男には嫌われたくないんだから、彼氏に目を光らせてもらえば周りの子達も黙るでしょ。で?王子はあんたが付き合いを隠したいって言った時の返しを教えなさいよ。それって結構重要な所なんだから」

「う~ん・・周りの反応が気になることを話したら、とりあえず会社では秘密でもいいって」

そう、確かに澤田くんはそう言ってくれた。
詳しいことまでは決めていないけど、それでいいって思う。
私達の関係が周りに知られていなくても、幸せになれるならそれでいい。

「へぇ~、いいんだ。でも秘密でもいいって言うってことは、王子はオープンにしてもいいってことなわけね?」

「う・・ん、そうかな。いつまで秘密にするかはまた考えようみたいなことを言っていたから、まあ隠して付き合うことは考えてなかった感じかな」

そう答えると沙耶は二ヤッと笑いながら「ふ~ん」と何度も頷いて見せた。
それを見て流し目で「何よ」と応戦しても、鼻で笑われてしまう。

「それならいいんじゃない?」

「何が?」

「悪くないってこと、あんたらの付き合い方が。王子が迫ってあんたが落ちて。付き合うことにしたけれど、あんたが隠れて付き合いたいってことに王子は理解をしてくれた。しかもずっと隠して付き合うわけじゃなくて、いつまで秘密にするかまた考えるってことは、王子はいつオープンにしてもいい付き合いってことでしょう?」

「ん~、そうかな」

私の煮え切らない返事に舌打ちを返してきた。しかもジト目で呆れた顔を見せる。
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