あの日に戻れたら...
曇り空
ピピピピ-

「んっ…」

目覚まし時計の音で目が覚めた。

もう朝だ…

窓のカーテンを開けて空を見る。

「おはよう。」

今日は曇ってて
グレーの空が広がっていた。

こんな日は、気分が沈んでしまう…




「あら、おはよう優衣。朝ご飯できてるから
 早く支度しなさい。」

「うん。」


高校生になってから、
毎朝念入りにメイクして
茶色に染めた髪も
丁寧にコテで巻いている。

中学生の時はあんまり
こういう事しなかったし
なにしろ、何に対しても
やる気がもてなかった。

だけど、だんだん気分も
楽になってきて…
自分から楽しもう!って思ってきた。
前は友達に合わせて、
無理して笑ってたとこがあったから…


「優衣、そんなにゆっくり食べてたら
 もう隼人君来ちゃうんじゃない?」

「分かってるー!」



-ピンポーン


「ほら!来ちゃったじゃない!」

朝から煩いんだから…

急いで歯みがきをして玄関に向かった。


「優衣おはよっ!」

「おはよう!隼人。」

「気をつけてね。いってらっしゃい。」

「お母さんも遅刻しないようにねー!」


隼人とは母親同士の
仲が良いということから
小さいときから常に一緒。
家も向かえだし。つまり、幼なじみ。

あのことがあってから、
心配してか高校も
わたしの同じ学校を選んだし、朝もこうして
迎えに来てくれる。
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