ラストバージン
高鳴り、と言うには程遠い。
だけど……限りなくそんな表現に近いようにも思える胸の反応に戸惑いながらも、何とか平常心を保とうとした。
「真っ直ぐ帰るつもりだったんですけど、何だかラーメンが食べたくなっちゃって」
「それで、コンビニに?」
「はい。ラーメン屋に立ち寄るのは面倒ですし、カップ麺を」
コンビニの袋を軽く持ち上げた榛名さんは、苦笑混じりに私の隣に並び、そのままゆっくりと歩き出した。
ごく自然と肩を並べた私達は、点在する街灯を一つずつ通過していく。
「確かに、飲んだ後ってラーメンが恋しくなりますよね」
「そうなんですよ。いつもは大体お茶漬け派なんですけど、今日は体がラーメンを求めてしまって」
「私もお茶漬け派ですよ。トッピングは、絶対に梅」
「本当ですか? 僕も飲んだ後のお茶漬けは梅派です」
「榛名さんも?」
「僕達、本当に気が合うのかもしれないな」
独り言のように口にして笑った榛名さんは、この間と同じように少年のように見えて……。普段の落ち着いた表情とはまた違った顔に、勝手に反応した胸の奥がキュッと締め付けられるような感覚を抱いた。
そして、同時に体が僅かに熱を帯びた。
だけど……限りなくそんな表現に近いようにも思える胸の反応に戸惑いながらも、何とか平常心を保とうとした。
「真っ直ぐ帰るつもりだったんですけど、何だかラーメンが食べたくなっちゃって」
「それで、コンビニに?」
「はい。ラーメン屋に立ち寄るのは面倒ですし、カップ麺を」
コンビニの袋を軽く持ち上げた榛名さんは、苦笑混じりに私の隣に並び、そのままゆっくりと歩き出した。
ごく自然と肩を並べた私達は、点在する街灯を一つずつ通過していく。
「確かに、飲んだ後ってラーメンが恋しくなりますよね」
「そうなんですよ。いつもは大体お茶漬け派なんですけど、今日は体がラーメンを求めてしまって」
「私もお茶漬け派ですよ。トッピングは、絶対に梅」
「本当ですか? 僕も飲んだ後のお茶漬けは梅派です」
「榛名さんも?」
「僕達、本当に気が合うのかもしれないな」
独り言のように口にして笑った榛名さんは、この間と同じように少年のように見えて……。普段の落ち着いた表情とはまた違った顔に、勝手に反応した胸の奥がキュッと締め付けられるような感覚を抱いた。
そして、同時に体が僅かに熱を帯びた。