ラストバージン
菜摘に母親との事を話すんじゃなかったという後悔と、隠す事なく素直に誘ってくれた事への安堵感。
それらの微妙な感情に包まれた心を隠し、そっとため息を漏らした。
「……今回だけだからね?」
「ありがとう!」
安堵と喜びの混じった笑顔を見せた菜摘は、「早速なんだけど」と続ける。
「そのパーティー、明日なんだよね」
「えっ!? 明日!?」
「気持ちが変わらないうちに参加した方がいいと思って、勢いで申し込んだから」
「だったら、私は無理だよ。明日も仕事だから」
ハハッと笑った菜摘に呆れながら言うと、彼女は平然とした表情を見せた。
「大丈夫、パーティーは夜からだから。開始時間は今くらいの時間だから、仕事が終わってからでも充分間に合うだろうし」
あっけらかんと笑う菜摘に、眉をひそめる。
「嫌だよ、仕事の後なんて……」
ただでさえ、崩れ易いメイク。
菜摘に付き合うだけとは言え、仕事が終わった後に婚活パーティーに向かうのならメイク直しも必要だし、きっと服装だって普段の通勤スタイルのままでは浮いてしまうだろう。
そんな事を考えて一気に億劫になり、やっぱり断ろうと口を開いた。
だけど……。
それらの微妙な感情に包まれた心を隠し、そっとため息を漏らした。
「……今回だけだからね?」
「ありがとう!」
安堵と喜びの混じった笑顔を見せた菜摘は、「早速なんだけど」と続ける。
「そのパーティー、明日なんだよね」
「えっ!? 明日!?」
「気持ちが変わらないうちに参加した方がいいと思って、勢いで申し込んだから」
「だったら、私は無理だよ。明日も仕事だから」
ハハッと笑った菜摘に呆れながら言うと、彼女は平然とした表情を見せた。
「大丈夫、パーティーは夜からだから。開始時間は今くらいの時間だから、仕事が終わってからでも充分間に合うだろうし」
あっけらかんと笑う菜摘に、眉をひそめる。
「嫌だよ、仕事の後なんて……」
ただでさえ、崩れ易いメイク。
菜摘に付き合うだけとは言え、仕事が終わった後に婚活パーティーに向かうのならメイク直しも必要だし、きっと服装だって普段の通勤スタイルのままでは浮いてしまうだろう。
そんな事を考えて一気に億劫になり、やっぱり断ろうと口を開いた。
だけど……。