ラストバージン
「ところで、このまま真っ直ぐでいいの?」
「うん。突き当たりを右折したら、もう見えるよ」
深呼吸を繰り返し、受験の時に抱いた緊張よりも数倍は大きな感覚を押さえ込む。
ウィンカーを右に出した榛名さんがハンドルを切り、とうとう実家が見えた瞬間。
「……あれ?」
数軒先の一軒家の前に、桃子と孝太が立っていた。
「桃子と孝太……」
「もしかして、姪っ子さん達?」
「あ、うん」
私が頷いた直後、こちらに気付いた桃子と孝太がパァッと笑顔になった。
「葵ちゃーんっ!」
両手を大きく振る二人に、私は戸惑いながらも手を振り返す。
「家の前に停めても大丈夫?」
「うん、この辺りはわりと広いから」
門扉の中に入った桃子と孝太は、運転する榛名さんを不思議そうに見つめている。
エンジンが止まったのを確認してからドアを開けると、二人は待ってましたと言わんばかりに飛び付いて来た。
「葵ちゃん!」
「桃子、孝太、久しぶり。元気だった?」
「うん!」
「ねぇ、今日はどうしてここにいるの?」
元気良く頷いた桃子と孝太よりも早くに先手を打つと、二人はお互いに競い合うように口を開いた。
「うん。突き当たりを右折したら、もう見えるよ」
深呼吸を繰り返し、受験の時に抱いた緊張よりも数倍は大きな感覚を押さえ込む。
ウィンカーを右に出した榛名さんがハンドルを切り、とうとう実家が見えた瞬間。
「……あれ?」
数軒先の一軒家の前に、桃子と孝太が立っていた。
「桃子と孝太……」
「もしかして、姪っ子さん達?」
「あ、うん」
私が頷いた直後、こちらに気付いた桃子と孝太がパァッと笑顔になった。
「葵ちゃーんっ!」
両手を大きく振る二人に、私は戸惑いながらも手を振り返す。
「家の前に停めても大丈夫?」
「うん、この辺りはわりと広いから」
門扉の中に入った桃子と孝太は、運転する榛名さんを不思議そうに見つめている。
エンジンが止まったのを確認してからドアを開けると、二人は待ってましたと言わんばかりに飛び付いて来た。
「葵ちゃん!」
「桃子、孝太、久しぶり。元気だった?」
「うん!」
「ねぇ、今日はどうしてここにいるの?」
元気良く頷いた桃子と孝太よりも早くに先手を打つと、二人はお互いに競い合うように口を開いた。