ラストバージン
程なくして、ごく自然な流れでベッドに雪崩れ込んだ。
体を重ねたのはまだ数える程で、生まれたままの姿を曝すだけでも体は羞恥に染まる。


だけど……。

「葵」

あまりにも愛おしげに微笑む表情に、羞恥さえも温かなものに変わっていくのだ。


素肌に触れる指は優しいのに熱を孕み、全身を辿っていく舌先は熱く激しい動きをしている。
体の奥底から込み上げる熱に浮かされたようになりながらも、何とか声を出さないように唇を噛み締めていると、どこか窘めるようなキスが落とされた。


「……っ、……ん……」


吐息混じりの声が漏れた事で出来た隙間に、ゆっくりと舌が挿入される。
ついさっきまで素肌に感じていたそれはやっぱり熱くて、同じくらいの熱を持つ自分のものに絡んで来ては、僅かに残っていた理性を丸ごと奪い去った。


「葵、目を逸らさないで」

「ん、っ……んぁっ、拓海……ッ!」


縋るようにしがみついた私の背中に腕を回した榛名さんは、溶けてしまいそうだった私のナカに自身をゆっくりと埋めていき、奥まで届いたところで私を抱き締める腕に力を込めた。
それから長い時間を掛けて彼の全てを全身で感じ、とうとう押し上げられた高みから真っ逆さまに落ちた――。

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