チャラ男とちょうちょ

そのせいかお店に嫌がらせの電話がかかってきたり、街で涙香さんを指名していると思われるお客様に死ねと言われたりした。

あたしはただのキャバ嬢とお客様の関係だと思っているから、何を言われても痛くも痒くもなかった。
幸い、あたしのお客様も最初は疑っていたようだったけどお店に涙香さんが来ることもなかったし、あたしと実際話すと所詮噂だと感じてくれたようだった。
よかった、そういうお客様ばかりで。
でも、どうして女って女のことを悪く言うんだろうと思う。
裕貴のときもそうだった。

裕貴の優しい笑顔を思い出したら、胸がちくっとした。

(ばかだなぁ、あたしから離れていったんじゃん)

あたしは自分にそう言った。



『連絡、遅くなった(>_<) お店に遊びに行きたいんだけどなかなか時間がなーい。・゜・(ノД`)・゜・。 たまに、メールしていい？ 涙香』



涙香さんからメールが来た。
正直、涙香さんがああ言ってくれたのは社交辞令だと思っていたから、びっくりした。


『お仕事、お疲れさまです(^^) 飲み過ぎていませんか？ いつでも連絡してください♫』

あたしはそう返事をした。