チャラ男とちょうちょ
愛咲リオナが出勤しなくなったことがあっという間に広がった。
ちょうどその頃、涙香さんもホストを辞めて新店舗の社長を任されることになった。
噂が噂を呼んで、やっぱり涙香とリオナは怪しいだとか結婚するんだとかあちこちで言われるようになった。
そんな時だった。
あたしの携帯から鳴るはずのない着信音が鳴った。
”清水裕貴”
ディスプレイには裕貴の名前が映し出されている。
(今さら、何の用事なんだろう)
そう思いながら携帯を見つめる。
きっと裕貴のことだから、すぐに切るだろうと思っていた。
だけど、流れるメロディーはなかなか鳴り止もうとしない。
「もしもし…」
頭では出るもんかと思っていたけど、心が勝手に動いていた。
「真奈美?…元気?」
「うん、元気。…裕貴は?」
「元気だよ」
「そっか…」
あたしは、そう言ったきり黙った。
何を話したらいいのかわからない。
ちょうどその頃、涙香さんもホストを辞めて新店舗の社長を任されることになった。
噂が噂を呼んで、やっぱり涙香とリオナは怪しいだとか結婚するんだとかあちこちで言われるようになった。
そんな時だった。
あたしの携帯から鳴るはずのない着信音が鳴った。
”清水裕貴”
ディスプレイには裕貴の名前が映し出されている。
(今さら、何の用事なんだろう)
そう思いながら携帯を見つめる。
きっと裕貴のことだから、すぐに切るだろうと思っていた。
だけど、流れるメロディーはなかなか鳴り止もうとしない。
「もしもし…」
頭では出るもんかと思っていたけど、心が勝手に動いていた。
「真奈美?…元気?」
「うん、元気。…裕貴は?」
「元気だよ」
「そっか…」
あたしは、そう言ったきり黙った。
何を話したらいいのかわからない。