チャラ男とちょうちょ
あたしたちは今、オーナーと店長を目の前に座っている。
結婚するから引退したいと言ったら、相手を連れてこいと言われてしまった。
「リオナさんと結婚したいので、引退を認めて下さい‼︎」
いきなり裕貴はそう言って頭を下げた。
「お願いします」
あたしも頭を下げた。
そんなあたしたちを見てオーナーは笑った。
「何も、許さないなんて言ってないよ。リオナちゃんが結婚したいなんて言うからどんな奴か確かめたかっただけ」
「俺は、ふざけた奴だったら許さないつもりだったけど」
店長は鼻息を荒くした。
「お店としては、リオナちゃんがいなくなっちゃうのはイタい。」
「はい」
「だから、しっかり幸せにしてあげてね。…リオナちゃんは今までいろいろ我慢して夜の世界で輝いてきたんだから」
オーナーがそんなこと言うもんだから、あたしは涙が止まらなくなってしまった。
あたしは、引退イベントは開いてもらわずひっそりと愛咲リオナを卒業した。
裕貴は、そんな終わらせ方をさせてしまったのが腑に落ちないみたいだったけど、あたしはあたしらしくていいんじゃないかなって思った。
「天国に行った赤ちゃんの分まで、幸せになろう」
そう言って、裕貴はあたしの左手の薬指にリングをはめてくれた。
結婚するから引退したいと言ったら、相手を連れてこいと言われてしまった。
「リオナさんと結婚したいので、引退を認めて下さい‼︎」
いきなり裕貴はそう言って頭を下げた。
「お願いします」
あたしも頭を下げた。
そんなあたしたちを見てオーナーは笑った。
「何も、許さないなんて言ってないよ。リオナちゃんが結婚したいなんて言うからどんな奴か確かめたかっただけ」
「俺は、ふざけた奴だったら許さないつもりだったけど」
店長は鼻息を荒くした。
「お店としては、リオナちゃんがいなくなっちゃうのはイタい。」
「はい」
「だから、しっかり幸せにしてあげてね。…リオナちゃんは今までいろいろ我慢して夜の世界で輝いてきたんだから」
オーナーがそんなこと言うもんだから、あたしは涙が止まらなくなってしまった。
あたしは、引退イベントは開いてもらわずひっそりと愛咲リオナを卒業した。
裕貴は、そんな終わらせ方をさせてしまったのが腑に落ちないみたいだったけど、あたしはあたしらしくていいんじゃないかなって思った。
「天国に行った赤ちゃんの分まで、幸せになろう」
そう言って、裕貴はあたしの左手の薬指にリングをはめてくれた。